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企業の「安定」「成長」には、「起業家精神」が必要不可欠。

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成長する企業と衰退する企業

創業から時間が経つにつれて、企業の生存率というのは徐々に低下していきますが、この要因の一つとして挙げられるのが、世の中の変化(ニーズの変化)に伴う需要の減少(消滅)です。多くの企業は、世の中のニーズ(課題)に対する商品・サービスを提供する立場で市場へ参入し、事業をスタートさせますが、多くの場合、そのニーズが永遠に存在しつづけるわけではありません。また、たとえそのニーズが存在しつづけたとしても、そのニーズに対する商品・サービスの提供者(企業)が増加して競争環境が変化するなど、複数の要素が時間の経過とともに変化することとなり、企業の盛衰に影響を与えます。

「新たな取り組み(事業)を進めるために

したがって、時代の変化(ニーズの変化)とともに、新たな商品・サービスを開発することや、まったく別の新たな分野にチャレンジしていくことが、企業の安定や成長には重要かつ必須のこととなります。ですが、この新たなチャレンジがどの企業にも容易にできるわけではありません。たとえば、経営資源の4大要素といわれる「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」のいずれか、あるいは複数が不足しているなどの理由によって、新たなチャレンジがなかなかできないことも往々にしてあるものです。一例を挙げてみれば、そこに確実なニーズがあるとわかっていても、それに取り組める人材(人数)が社内にいなかったり、事業を進めるにあたって必要となる知識やスキルを持った人材そのものがあまりいなかったり。また、必要な資金が不足しているなどして「本当はやりたいのにやれない」ということが珍しくないのです。

企業風土や文化を変える必要も

ただ、そのような「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」も、もちろん重要ですが、ある意味、最も重要だと考えられるのが、その企業の「風土」や「文化」です。組織全体として、新たなことにチャレンジしていくことの重要性を認識するとともに、(失敗を含む)新たなチャレンジが「是」とされる組織でなければ、なかなか新しいことができません。できることならば、新たなチャレンジが楽しいものとして捉えられる環境が理想でしょう。ただ、少なくない企業において、そのような環境ができていないのが実際のところではないでしょうか。企業によって事情・状況はさまざまですが、いわゆる「起業家精神(新たな分野の開拓に必要な発想力・創造力やリスクをおそれずチャレンジする姿勢)」がその企業(組織)にない場合には、新たなチャレンジはもちろん、それをやろうとする意識すら生まれてきません。そういう企業では、まず企業風土や文化を変えることからスタートすることが必要かもしれません。少なくとも、既存の事業(やり方)を踏襲して、守りの体制のみを取っている状態で新たな芽を見つけることは非常に難しいものです。

いずれにしても、企業風土や文化を変えるためには、より多くの「多様な情報」が得られる体制にして、「多様な人材」が生きる場をつくり、従来からの社内の価値観に変化を起こしていくことが極めて重要です。そのためには、社内外を問わず、しかるべき人材を積極的に活用していくことも必要となるでしょう。





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【著者】
松本晃秀(リープクリエーション合同会社 代表)

リクルートグループを経て、株式会社電通にてメディア、エージェント業を学んだ後に独立。
「東証1部上場企業から中小零細企業までの500社」と「就職・転職・独立したい個人1000人」に会い、その経験をもとに「成長」「キャリア」「雇用」「独立」などをテーマとした個人発行として日本有数のオンラインメディア「21世紀独立論」を企画・運営。現在は、法人・個人のコンサルティングのほか、広告ビジネス、セミナー・講演なども行う。

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