- 人材戦略
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「40代からの転職活動、どう進める?」
シニア向けの求人情報が探しづらくなった!?
2007年に雇用対策法が改正され、事業主は労働者の募集及び採用について年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならないとされ、年齢制限の禁止が義務化されました。それから10年、世の中にオープンに出回っている求人情報から、いくつかの事由がない限り、年齢の表示は基本的には消えてなくなりました。しかしながら、雇用側は採用にあたり年齢にある程度のイメージを持っているものです。それが表面化しなくなったことで、皮肉にも自身が対象となる求人を選別しにくくなったのも、現場の事実です。特に求人のボリュームゾーンは20代~30代前半ですから、40代以降が対象となっている求人は、一体どこでどのように探せばよいのでしょうか?
濃い情報が入ってくるルートを確保する!?
前述した事情があるので、オープンに出回っている膨大な求人情報の中から、40代以降が実際に応募可能な求人を自力で選別するのはなかなか難しいものです。効率よくシニア向けの求人情報を収集するには、主に以下の方法が考えられます。
①知人・仕事仲間等、自身の人脈経由の求人情報
②企業側と密にやりとりをしている人材紹介会社やヘッドハンターから案内される求人情報
③特定の領域の専門的な知識や経験を持つ人を紹介するサービスへの登録(顧問紹介、スタートアップ支援など)
④自身の年齢や学歴・職務経歴などをオープンにすることで企業やエージェントからスカウトされるようなサービスへの登録(転職サイト、Linkedinなど)
特に③は④よりも、よりシニア層を求めている傾向が強いので、効率がよいと言えます。
条件を絞り過ぎず幅広く考える
自身が対象になり得る求人情報の収集ルートを確保したら、次は実際に応募を検討するときに、条件を絞り過ぎず幅広く考えることです。年収や雇用形態、勤務地、さらには業界や業務内容等、求人票や求人の輪郭だけで判断をするのは早計です。その求人の募集背景や何を実現したくて外から採用をするのかなど、本質的な情報を実際に企業側と対面してやりとりすることで、自身が貢献できる部分を見いだせることもあるからです。
ある50代後半の男性の例です。新卒後25年間は、情報サービス企業にて営業や事業企画、インターネット事業の立ち上げを経験し、その後、Eコマースを手掛ける企業へ転職。9年間事業部長等を歴任しましたが、会社の世代交代の流れの中、身を引く形で退職を選択。退職した直後は、同じ業界で少し規模の小さい企業で、より高いポジションでの転職を希望してエージェントに相談していましたが、給与が見合わないこと、ネット系の企業は若手層を求めがちである現実を見て、方向転換。今度は業界を問わず、インターネットまわりでの知見を必要としてくれる案件を条件も落として探し始めたところ、複数の「役に立てそう」、かつ「面白そうな」求人案件に出会うことができました。
ここで彼はすべての案件の話を聞きに行き、自分がフルタイムでコミットしなくても、アドバイザー的に関われば、自身に求められる役割を果たせること、また企業側にとってもフルタイム雇用でない方が、給与が抑えられるメリットがあることを実感し、顧問や業務委託でのコンサル契約などの可能性を提案しました。結果的に3つの案件とそれぞれ顧問、コンサル契約を結ぶことができ、現在は忙しい毎日を送っています。
このように、表面化している情報だけで動くことなく、自身の譲れない条件のハードルも下げることで、よりよい転職先や働き方を見つけられる可能性は広がると思います。40代からの転職は、こちらが企業や求人案件を選ぶというやり方より、企業側に興味を持ってもらえるように自身がアジャストしていくことが必要であると言えます。