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40代、50代の転職事情って?
40代以降は転職できない?!
「35歳転職限界説」という言葉がささやかれた時代もありましたが、今、40代以降の転職市場はどうなっているのでしょうか?
実態は、テクノロジーの進化やグローバル化によって、ビジネス展開のスピードが驚異的に早くなっていること、経営や事業判断において、既存のビジネス領域を超えた知識や経験が必要となってきていることなどから、 即戦力採用や異業種からの採用ニーズが増え、若手ポテンシャル層と同じくらい、ベテラン組、40代以降のニーズも高まっています。
また、オープンポジションで一般に広く募集している求人は、30代までのものが多い一方で、景気に左右されて求人数が安定しないのも事実です。それに対して、40代・50代向けのポジションの絶対数は、若手に比べてしまうと少ないですが、景気にあまり左右されることなく一定数のニーズがあるといってよいと思います。しかも、ヘッドハンターや一部のエージェントを通じてコンフィデンシャルに募集している案件が多いようです。昨今では、顧問や役員、社外取締役などのより高度で専門性の高い経験を必要としたポジションも増えてきています。
どんな人が転職できる?
一方で、市場でニーズが高まっているからといって、誰もが転職できるわけではないことは、若手もベテランも同様です。40代以降で必要とされるキャリアのパターンは、以下のようにいくつかに分けられます。
① 同じ職種で数社を経験し、いずれの会社でも結果を残している
例)50代前半の男性で、大学卒業後、大手情報サービス企業で20年間営業ひと筋。扱った商品は主にシステムと広告で、広告は高い営業実績と強固な組織づくりを買われて他社とジョイントベンチャーを作っての新しい媒体立ち上げも経験。その後、通信業に転職し、10年弱、通信サービスの営業に従事。前半5年間の実績から後半5年間は「売れるしくみ作り」にも貢献。営業マンとしての力量並びにマネジメント力・組織作りを高く評価され、同じシステム業界での営業系顧問として、停滞している組織の活性化と売上アップを期待され、入社。
② 少なくとも事業責任者、できれば経営ボード経験者で当事者として事業と対峙したことがある
例)40代半ばの男性で、大学卒業後、一部上場の金融業で10年半営業を経験。支社長として、最大で120名の部下を持ち、利益指標で全国NO.1の実績を出す。その後、新興市場上場のコンサル業に転職し、新規事業の責任者、総務法務部長等を歴任。事業の黒字化、コスト削減などに大きく貢献。上場飲食業に転職し、店舗開発の執行役員として新規出店や閉店対応や組織作りに7年弱、従事。その多様な経験と逃げずに結果を出す姿勢が評価され、あるメーカーの総務部長として入社。数年で結果を出し、子会社社長のポジションへの期待含みでの採用。
③ ある領域で高い知見と経験があり、人脈も含めて即戦力で新しい会社に貢献できる
例)40代半ばの男性。大学在籍中からアルバイトとして勤務していた中堅の広告会社に、そのまま入社し、広告制作ディレクションを中心にシステム化プロジェクトも担当。その後、ITベンチャーを数社経験し、Webデザイン、Webプロデューサー、プロジェクトマネジメント、ITコンサルティングを経験。最終的には数名で創業したベンチャー企業の経営に参画し、IT業界全般のディープジェネラリストとして活躍。その、業界への知見・専門知識・人脈と、上流から下流までの泥臭い経験を高く買われ、大手流通業Gのシステム開発会社へスペシャリスト職として入社。
採用側に響くアピールを
さらに40代以降の転職を成功させるポイントとして挙げられるのは、自身のキャリアの中で、採用側が求めている経験にフォーカスしてアピールする、ということです。社会人経験が20年を過ぎているということは、当然さまざまな経験を積んできているわけですし、特にサラリーマンでいると、社命によって、時には一貫性のないさまざまな職務経験を積んでいるケースが見受けられます。それを漫然と並べるだけの職務経歴書や面接での自己アピールでは、採用側に「何ができる人」なのかが伝わりません。
顧問職の場合は、営業系の課題を埋めることのできるスキルや経験、人事・経理財務・経営企画・広報など、特定のスタッフ系組織の課題を解決できるスキルや経験、経営に参画したことのある実績、官公庁等、特定組織への人脈、ITなど最新技術分野でのスキルや専門性、などがアピールポイントになりやすいといえます。