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「ゆでガエル理論」から考える重要決断を、手段を選ばず行う重要性

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ゆでガエル理論

「ゆでガエル理論」というものがあります。これは簡単にいうと、「すでに熱くなっているお湯にカエルを入れると異常を感知し、即座に飛びはねて脱出しますが、先にカエルを水に入れて徐々に水温を上げていくと、そのカエルは温度の上昇に気付づくことなく限界を迎え、そのまま死んでしまう」といった論理です。ご存知の通り、これは昨今、ビジネス社会でしばしばいわれるようになり、ひとつの戒めとして認識されている方も多くいらっしゃるかと思います。

ただ、ここで厄介なのが、「人は環境に適応する生き物である」ということ。また、「余程の理由がない限り、その適応した環境を変えようとしない(その環境から抜け出そうとしない)生き物である」ということです。すなわちこれは、往々にして私たちが「ゆでガエル」になってしまうことがあるということにほかなりません。「ゆでガエル理論」自体は、とてもシンプルなものですが、その危険性はかなり高いのです。

今の時代を「ゆでガエル理論」からどのように捉えるか?

それでは、今の時代をこの「ゆでガエル理論」からどのように捉えればよいのでしょうか。変化のスピードが速い今の時代は、ゆでガエル理論でいうところの「水温」の上がるスピードが速いという特徴があると考えられるでしょう。つまり、気づかないくらいゆっくりと環境・状況が変化しているということではなく、その環境・状況の変化は激しく、それにしっかり気づいている、という特徴があるように思います。つまり、その変化を認識しているし、然るべき手を打つことの必要性や重要性も認識できているけれど、それをなかなか実行に移せないことにより、望まぬ結果を招いていることが多いのではないかと思われるのです。また、変化のスピードが速いわけですから、対策が遅れた場合には、それによる損失は、より大きくなってしまうことになります。進行が早い分、少し対策が遅れるだけでも、大きな痛手を被ってしまうことになるのです。

企業の存亡に直結する重要決断に躊躇は無用

「企業存亡」というと、少々物騒な印象を持たれる方もあるかもしれませんが、まさに「存亡」に関わる、あるいは直結する出来事も日々起こっています。もちろん、そのような危機につながる恐れのある状況からは、速やかに脱出する必要がありますが、そのためには、まず「然るべき体制」を整えなければなりません。なぜなら、その「出来事(問題)」というのは、「仕組み(構造)」から生み出されているということが少なくないからです。言い換えれば、起こるべくして起こっている、ということです。つまり、そこにいる人(個人)の行動・努力では、その結果を回避することが難しい、ということを意味します。ただ、この新たな体制の構築には、相当のパワーが必要です。例えば、「しがらみ」もあれば、そもそも「人は変わりたくない生き物」でもあるなど、複数の要素が重なり合って、必要な体制の構築までには至れないということが少なくないのです。したがって、そのような体制構築が社内の「人材」ならびに「調整」のみでできるのなら良いのですが、もしもそうでないのなら、「外部人材」の登用も含めて検討していく必要があるでしょう。いずれにしても、企業存亡に直結する重要な決断ほど素早く行う必要がありますが、そのための人員配置ならびに組織体制の構築については、社内外の手段を選ばず確実に行うことが何よりも肝要です。そうしなければ、「ゆでガエル」になる道しかなくなってしまうかもしれません。課題に気づきながら、手遅れにならないよう、専門家を含めて早急に対応しましょう。





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【著者】
小田切郁子(㈲インターブリード シニアキャリアアドバイザー)

1995年、早稲田大学第一文学部卒業後、株式会社リクルート入社。じゃらん営業、ゼクシィ編集・事業企画・メディアプロデュースを経て、30歳で出産のため退職。出版プロデューサー、EAP(従業員支援プログラム)コンサルタントを経て、2006年人材紹介業界へ。現在は、事業開発、経営企画を含むマーケティング領域(ジュニア~エグゼクティブ)と、経営周り(CXO、部長クラス)の人材を中心に支援を展開。その他、組織コンサル、採用コンサル、研修講師、株式会社HRデータラボにてマーケティングディレクターとしても活動中。

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