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ますます注目度が増すM&A。日本での特色は?!

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M&Aの種類

すでにご承知おきの通り、M&Aとは、企業合併、企業買収のことです。昨今、ますます活発化してきているM&Aですが、具体的にその種類を挙げてみると、「日本企業が海外企業を買収するタイプ(IN-OUT)」「日本企業が日本企業を買収するタイプ(IN-IN)」「海外企業が日本企業を買収するタイプ(OUT-IN)」が存在します。また、戦略として「水平展開」と「垂直展開」があります。「水平展開」とは、同業他社を買収して事業エリアの拡大やマーケットシェアを拡大することで、「垂直展開」とは、例えばあるメーカーがその製品の原材料を使用して別の製品(二次製品)を製造するメーカーを買収するといった、いわゆるサプライチェーンの上流もしくは下流を買収することによって事業拡大を行うことです。ちなみに、日本で最も多く行われているM&Aは「水平展開」。その理由は想像しやすいと思いますが、このパターンはコストカット(ダウン)が容易であったり、そもそも同業であるため、その事業に対する理解も深いといったことがあったりするので、成功しやすいのです。

M&Aの価値はどこにあるのか?

M&Aによって企業の非連続な成長が可能となります。他産業との連携が可能となったり、海外展開が一気に進むということがあったり。また、成熟化した業界においては、業界再編を行うにあたってもM&Aが非常に有効な手段の一つとして活用されています。例えば、株式会社電通は、2013年3月26日に英国ロンドンに拠点を置くイージス・グループ(欧州や中東、南米など世界80ヵ国に約5,000社の顧客を抱える企業。※インターネット検索広告などデジタル分野も得意とされる)の買収を完了し、新しいグローバル体制でのさらなる成長を目指して、海外本社「電通イージス・ネットワーク社」を立ち上げました。この買収により、さらに拡充された国内外のネットワークを駆使して、「デジタル時代における新サービスの提供」や「国境・領域を超えた協働による、世界各地での最良のパートナーとして選ばれるに足るサービスの提供」がより可能となる体制を構築しています。

日本のM&Aの特色

では、日本のM&Aにはどのような特色があるのでしょうか。まず、国内事情としてその特色に大きな影響を与えているのが「人口減少」と「継承問題」です。私たちはこれらを無視することはできません。そして、このことと関連して、代表的な例(目的)に「業界内の統合によるマーケットシェアの拡大」「事業の継承(雇用の維持)」「海外進出による、さらなる成長の実現」などがあります。高度経済成長期以降、ずっと頼りにしてきた「内需」に頼れなくなってきた今、国内では収益の見込めるビジネスのみに集中する動きが見られます。また、さらなる成長を求める場合には海外市場へ出て行かざるを得ない、ということも既に多くの企業の動きから見られることです。そしてまた、「経営者の高齢化」と「後継者不足」という2つの事情が相まって、まだまだ市場ニーズがある(あるいは、今後さらに市場ニーズの拡大が見込める)にもかかわらず、存続が危ぶまれる企業も少なくないというのが今の日本における課題のひとつであり、M&Aにも大きな影響を与えています。もちろん、企業の存続はその企業で働く人々の「雇用(の安定)」にも直結しますので、経済的な側面はもちろん、社会的な側面からも、これらの課題解決につながるM&Aは積極的に行われるべきだと思いますし、今後は、このような動きがますます活発化してくことになるでしょう。





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【著者】
松本晃秀(リープクリエーション合同会社 代表)

リクルートグループを経て、株式会社電通にてメディア、エージェント業を学んだ後に独立。
「東証1部上場企業から中小零細企業までの500社」と「就職・転職・独立したい個人1000人」に会い、その経験をもとに「成長」「キャリア」「雇用」「独立」などをテーマとした個人発行として日本有数のオンラインメディア「21世紀独立論」を企画・運営。現在は、法人・個人のコンサルティングのほか、広告ビジネス、セミナー・講演なども行う。

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